手を伸ばしたら、つばさ
」のレビュー

手を伸ばしたら、つばさ

山田ノノノ

透明な青

ネタバレ
2024年2月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ でっけー男だ、でっけー男だよ森野力良…。一家に一人、森野力良さんを配属してくださいませんか?
読み終えてすぐ、比翼連理という言葉が思い浮かびました。二人で一対の翼なんだなあ。鳳凰の説明が作中に何度か出てきますが、「知恵と美の象徴で心のきれいな人を祝うために降り立つ鳥」という森野さんの言葉が、里見さんの気持ちをどれだけ救ったか。その刺青は里見さんにとって他人から蔑まれ親からも蔑ろにされてきた、自分が普通じゃないことの証で、己を疎ましく思うアイコンの一つだったのに、森野さんにきれいだと肯定され愛されて、やっと認められるようになったんですね。そして森野さんも同じく、自分の夢を、研究を、願望を里見さんに肯定されて、活路を見出す。同じ未来を見られるという意味では、二人は対の瞳でもあるのだと思います。
夢と希望の話です。あまりにも広くて大きくて、途方もなくて漠然としていて、迷いそうになる夢の話。だけど、二人で手を繋いでいれば、どんなに迷ってもそれが道になる。手に汗を握って頑張れと見守ってしまう話でした。それはそれとして、世界中一家に一人森野力良さんを配属したら、戦争ってなくなると思いませんか?世界平和の象徴だと思います(飛躍迷理)。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!