このレビューはネタバレを含みます▼
自分を死に追いやった犯人を知りたい!と死の間際に願ったことで、王家に伝わる力で10日間だけ生き返ったヒロイン。ワクワクと結末が決まっていることに切なさも感じるストーリーで一気読みせずにはいられませんでした。女王として精一杯生きたヒロインでしたが、弟や夫には王座を狙われ、それどころか夫は浮気ばかりで、身近な人物とも関係は上手くいっていませんでした。いつかは良い夫婦になれるのではないかと、夫の好みの女性になろうと大人しい控えめな態度でいたのを止め、10日しか無いのだからと、全てにおいて自分の思うままに振る舞うことにします。癒やしオーラや優しい雰囲気は残しつつも、政治の場では自分の考えをしっかり伝え、やりたいようにした結果、弟や夫、側近達の態度が変わり始めます。残される弟に女王としての考えを伝え、一方で犯人を探す10日間はあっという間です。色々な登場人物の様々な思惑の中で、成り行きで協力し合うことになったヒロインと夫。誰が味方で誰が敵なのか分からない中、愛情はないけれど、信じられるのは夫という関係がまた興味深いというか切ないというか。ハラハラドキドキの展開で、かなり頭を使いましたが面白かったです。ロマンスが無かったのが残念でしたが…最後の夫のその後が気になりました!もう一度読んでから2巻目を読もうと思います。