イヴの眠り
」のレビュー

イヴの眠り

吉田秋生

夜叉を読んだ人は是非こちらも!

ネタバレ
2024年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 夜叉から続く、殺人ウイルスとその副産物である新人類・静を取り巻くサスペンスストーリーです。
今回主人公は、静の遺伝子を受け継いだ少女・アリサ。
そして敵対するのは、静のクローンである死鬼。
人の形をしていても、人の心や魂はそこになくただ快楽的に人を殺している死鬼が、美しさも相まってゾクゾクするほどに恐ろしいです。
何度も死鬼と対面しても、死鬼を殺せないアリサの心の内側を想像すると、辛くて逃げ出したくなります。
自分が殺さなければという重責と、死鬼という仲間と出会えた喜びと、感情がないまぜになって苦しい。
大人の静が、まさかの形で描かれているのも驚きました。
そして、自らの手で始まったこの戦いに、自らの手で決着を付けた静がかっこよすぎて、でも辛くて、涙が溢れて止まりませんでした。
先生の描くストーリーに魅せられて、こんなにどっぷり浸かって本を読んだのは久しぶりです。
BANANAFISH、夜叉を読んだことのある方は、本作の中にこの2作が感じられるので是非こちらも読んでください。
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