【文庫版イラスト&書き下ろし付】刑事に甘やかしの邪恋
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【文庫版イラスト&書き下ろし付】刑事に甘やかしの邪恋

高月紅葉/小山田あみ

1作目。ツッコミどころ多いけど楽しい

ネタバレ
2024年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ いつの間にそんなに本気で好きになったん?という疑問は最後まで消えなかったけれど、なんやかんや読んでて楽しかった。
前半部分はとにかく濡れ場が多くて、濡れ場大好きな私が飽きそうになったぐらいの濡れ場続き。意識ないうちに掘られちゃってた刑事の大輔の反応はおもしろかったし、悪びれることもないクズなヤクザの田辺と大輔のやり取りが好みだったから読み続けたけれど、このままエロだけだったらどうしようかと不安になっていたら、後半のウキウキ西伊豆温泉旅行で持ち直してくれた。東伊豆ではなく西伊豆を選ぶってとこがまたいいじゃないか!西はお忍びしっぽりドライブ旅行にいいよね!刑事とヤクザで何やってんですかと思うが、この二人は終始刑事とヤクザで何やってんですか、なことしかやってない。刑事らしさも、ヤクザらしさもまったくわからないのだけど、読んでるうちにまあいいかと思えてきた。クズで詐欺師(設定として語られてるだけで、田辺の詐欺師としてのすごさは今のところよくわからない)なはずの田辺はいつの間にか大輔に本気で惚れちゃって、「あなたのためなら体だってはるわ!」な本気っぷりを見せ、離婚してほしいと思っているのにその本気度を大輔には信じてもらえず、恋心が募るばかり。大輔にやきもちやかせようとしたり、甘い言葉を囁きながらも、大輔を追い詰めて逃げられたくはないので、ぎりぎりの線を見極めつつ大輔を甘やかす。最初意識のない男の尻を無理やりほってたとは思えんほどのものすごい変貌ぶり、あなたそういうキャラでしたか?とツッコミはいれながらもやはり楽しかった。大輔の方は離婚する気もないし、田辺と真剣に向き合う気もなく、仕事と割り切って田辺との関係を続け、そんなすれ違う男二人のもだもだとエロとテンポのよい会話を楽しむためだけの刑事とやくざ設定なので、あまり深く考えてはいけないのだ!そして深く考えずに、かっこいい男たちのどうにもならないふりん関係ともだもだを堪能すると、続編が気になって仕方なくなっていた。欲をいうと大輔はエロのときもっと可愛げなくドライな感じでもよいぞ。
あと脇役の岩下が存在感ありすぎで、いまいちようわからん思考の持ち主なのだけれど、田辺の苦悩が見たいからいっそ大輔とどうにかなってしまえばいいのにーと思ったけどそうはならず残念だった。
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