このレビューはネタバレを含みます▼
面白いお話で、文章も読みやすく、大勢のキャラクターも個性があって書き分けもバッチリ。だけに、終わり方が何とも後味悪い。スッキリしない。無実の大罪(些細なやらかしは置いといて)を晴らせないまま、当てつけを狙っての自死で相手の後悔を期待するやり方は微妙(実際は死ななかったとしても)。婚約者を奪った恋敵は主人公の死にダメージを受けていないし、王子も恋敵に癒されてすぐに立ち直りそう。王室はざまぁどころか確信的に主人公の死で一人勝ち。一方で主人公は名誉や地位、財産の大半を無くして隣国へ亡命。。。身分も公爵から他国の神官って大降格だし、代わりに自由等の何かを手に入れた訳でもない。続編でのし上がっていくにしても、今回のざまぁを、ぼんやりぼかすのではなく、キッチリ描き切って欲しかった。
悪い人が得をして、普通の人(「良い人」ではない 笑)が割りを食うエンディングにモヤモヤします。