DINER ダイナー
」のレビュー

DINER ダイナー

平山夢明/河合孝典

殺し屋の事情

ネタバレ
2024年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 既刊+最新話拝読済です。殺し屋の話ですから、当然と言えば当然ですが、基本グロい描写と狂人ばかりの救いようがない話です。また、ダイナーは映画もそうですが、漫画版も結構改変されている部分が多々ありますので、それらが苦手な方は回れ右をオススメします。逆にグロ耐性があって、原作崩壊まではいかない改変ならOKな方は、かなり楽しめると思います。

話な大きな流れとしては、とある事情から殺し屋専門の食堂で働くことになった女主人公カナコが、男主人公であるボンベロと共に、来店する様々な客に向き合って戦っていく話です。

常識人が凄惨な経験から狂って殺し屋になるパターンと、根っからの狂人まで、殺し屋も十人十色ですが、そんな彼らの魂を救済するために作られた食堂で、食べ物はもちろん、殺しに染まりきれないカナコもまた、無意識に彼らの魂を救済していきます。

そんな彼女に、ボンベロもまた惹かれていき(恋愛的な描写は一切ありません)、とある事件をきっかけに、ただの物としての扱いから、唯一無二の存在になっていきます。

個人的には、人間の本能であったり煩悩であったり、常に欲望と欲望の戦いが、とても面白いです。恋愛要素は全くと言っていいほど無いのに、とにかくボンベロがカナコをめちゃくちゃ大切に思っているのが伝わってきて、どうかくっついてくれと願っています。
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