このレビューはネタバレを含みます▼
男同士で致す場面があるので、BLというジャンルなのかもしれないけど、ジャンル変えた方が読まれる気がする。
BLだと、私はどうしてもキャラの顔が重要で、そこに身が入らないとなかなか読む体制に入らないので、この本の存在は認知してたけど、開くまでにだいぶ時間がかかった。
読んでよかった。淡々とした絵で淡々と描かれてますが、途中、あまりにキツくて目を背けたくなった。
私にそんな権利はないのに、佐島を思って泣きたくなった。
実の親から性的搾取の対象として利用されるだけでなく、産まなきゃよかっただの、お前は本当に愛されない奴だの、早く1人で生きていけと厄介扱いされて、自分の体を売るしかなく、誰にも頼ることもできず…。
佐島に、他にどんな選択肢があったんでしょうね?
幸せになって欲しいなんて簡単に思えなかったし、助けたい、でもどうしたらいいかも答えは出なかった。
ただ、現実を知りました。
現実に対して、私は何もできないんだ、と知りました。
生きている限り望みはあると信じたい。
佐島にも生きていてよかった、生まれて来て良かったと思える瞬間が少しでもあって欲しい。
けれど、それすらも泡と消えそうなほどに、現実を突きつけられた無力感におそわれました。
でも続きが読みたいです。