嵌められましたが、幸せになりました 傷物令嬢と陽だまりの魔導師
咲宮いろは/霜月零/一花夜
このレビューはネタバレを含みます▼
浮世離れしたヒーローと内向的なヒロインのほんわかした空気感はとても良かったです。ヒロインが育てるハーブでヒーローが健康的になっていくのも斬新でした。
でも執事の独りよがりな忠誠心はちょっと…これが親族や兄弟同然の側近とかなら納得できたかも知れません。寒い客室を用意して掃除もしない、質素な食事、基本無視でヒロインが耐えられず出ていったら自分のした事は言わずにヒロインの我儘のせいにして主人に報告するつもりだったのでは?それではヒロインを陥れた男爵令嬢と同じです。もしヒロインが噂通りの悪女だとしても、王命の婚約者が当然の権利としてこの仕打ちを王に申立てれば主人の立場は悪くなりますがそれでも主人の為なの?使用人では責任取れないでしょう?謝罪後も執事にモヤモヤが残り、大した問題にしないヒーローとあっさり許したヒロインに置いてけぼりにされた気分になります。ヒロインが虐げられる期間が長くてちょっと疲れてしまいました。
元婚約者は、公式の場で身分の高い辺境伯に言いたい放題で馴れ馴れしく縋る男爵令嬢を見て、やっと疑念を持ったのかなと思います。男爵令嬢にどっぷり魅了されていた訳でも無さそうなのにヒロインをすぐに捨てたのは、元々気持ちが無かったからでしょうね。逆ギレするパターンも多い中、最後はきちんと謝ってくれる人で良かったです。
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