このレビューはネタバレを含みます▼
メイン攻めとメイン受けカプ以外に、有能第一王子と繊細薄幸第二王子の兄弟もかなり描かれています。なのにこの王子ペアの描写が、途中まではこの二人のやりとりも結構あるのに、クライマックスに近づくにつれて状況描写だけの単調になります。私的には不発。最後の方がこんなにさらっとするなら前半であんなに描写しないでよ、気になるじゃん。メインがうまくいっても、王子ペアの様子が気になりモヤモヤ。そして、メイン受けはかなりの魔力持ちであることが前半に描かれていますが、それを発揮する場所は皆無。なんせ一番の事件である第一王子の飲み物に毒が入れられちゃった事件は、ワイングラスをメイン受けが単純にはたき落とすだけですから。いや、良いんですよそれでも。でも、え、前半の魔力量が多くて攻めがコントロール手ほどきしてくれた描写がもったいない。どこにもあの魔力量を発揮する見せ場がない。筆力はある作家さんなのでメインカプに集中すればまあ楽しかったです。お値段も最近よくある千円越えではないので、不発部位があっても及第点です。ただ、繊細第二王子がほんと気になる。魅力的なキャラなんですよ。毒母に洗脳されて兄の第一王子を害しようとしたことへの懺悔と悔恨、そしてそれを慰め癒し救う第一王子の描写は、私的には必須だと思うのです。さわりだけでも描写がほしかった。ああ、残念。あ、でもメインカプ、魅力的ですよ。私が第二王子が一番ツボったのがいけない、好みの問題なんで作家さんに申し訳ないので星4にしました。