サハラの隻眼狼【コミックス版】
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サハラの隻眼狼【コミックス版】

五月女えむ

試し読みでの印象を見事に覆す可愛さ

ネタバレ
2024年3月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初っ端の自分語りで恐縮なんですが、ツンデレやじゃじゃ馬といったキャラが苦手だったりします。なので試し読みの時点でビャクにめちゃめちゃ苦手意識を持ってました。
でもスピンオフ元の「サハラの黒鷲」を読んでその世界観やストーリーに惹かれ、印象的なキャラだったイングルがクローズアップされるということと、ビャクとイングルの仲がどうやって進展するのか逆に気になってしまったので苦手と言いつつ全編読んでみたのです。
読み終わった後、いやもう中盤以降は「自分…ビャクのこと応援させてもらってもいいっすか?」という見事な手の平返し。即落ちでした、私が。今なら大声で言えます。ビャク大好き!!!!!
イングルのことが大好きで健気で、イングルが自分のことを考えてくれたことを知っただけで顔を真っ赤にして嬉しがってるビャクがあまりにも可愛い。可愛いにも程があるとはこのことです。そんなビャクに色恋に鈍いイングルも関心を持ち始めて…最初は恋人のふりをするというビャクからの依頼のために身体を繋げているという事実に、あとから気持ちが追いかけていく過程がとても丁寧に描かれていてよかったです。寡黙な傭兵であるイングルの人物像も深く掘り下げられていてますます好きになりました。顔面つよつよで褐色肌に隻眼という強キャラに加えてカッコいいなんて本当にずるい。幼なじみ二人をとても大事に想うイングルが、同じようにビャクの大切な友人であるザザを尊重しているところもとても素敵だなと思います。「ザザとふたりきりにしてくれ」という言い方がもう、ね。「ふたり」なんだよねぇ…。呪い師に嵌められて傷心のザザとそれを慰めるビャクを見守るイングルの表情のなんと優しいことか。何度見ても泣いてしまう大好きな場面でもあります。本当に優しい表情なんですよ。無表情だと思われがちなイングルのとても繊細な表情の変化も見どころです。ビャクとザザが新居に引っ越してきた時のイングルの目の描写とかね、ほんと好き。まだ恋愛感情がわからないイングルがそれをはっきりと認識した時どうなるのかが楽しみなんです。その時はビャクを溺愛して欲しい~。そしてザザ。ビャクの大切な友人であり優しくて賢いザザには最優秀助演賞を差し上げたい。いつかビャクとザザの出会いのお話も見られたらいいな。
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