このレビューはネタバレを含みます▼
4巻完結。BLではあるが、ミステリーの要素が強めだと思う。他人の夢を見ることが出来る探偵。でもこの力を使って事件を解決するというより、能力を利用されたり実験されたり、苦しめことが多い。
ミステリーとしては、真犯人というか、裏にいる人物は分かっている上で、誰が関わっているか、どう繋がるか、と上手く読ませてくれる。
BLとしてはかなり重い。これは愛なのか。心を手に入れるにはどうするのか。
究極、犯罪者を愛することができるのか、ということ。自分の為に人を殺した人を。でも殺すことを何とも思わず、何十人と殺した人を。
私としてはもっと幸せにしてあげてほしかったと思う。4巻では語られなかった部分も多く、読後すっきりするというような本ではない。でもやはり買ってよかったと思うし、すぐにではなく、少し時間をおいて読み直したくなる本だと思う。愛や幸福は人それぞれということ。4巻の冒頭の言葉がまさにこの本を表しているのかな。
「俺としては、幸福な結末だ。」