愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません
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愛する人は他にいると言った夫が、私を離してくれません

春日部こみと/炎かりよ

温かい愛情ストーリー

ネタバレ
2024年3月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いではありますが、表紙絵から溺愛が伝わってきて買わずにはいられませんでした(笑) 子供の頃に出会った名前も知らない初恋の人が運命の人だと信じ、ずっと行方を探し続けているヒーロー。国王の落し胤である上に美丈夫であるヒーローと結婚したい令嬢の罠に掛かったところを助けてくれたのは、幼かった弟の代わりに領地と領民を守り、嫁き遅れたヒロイン。すると今度は祖母の命によりヒーローはヒロインと結婚しなくてはならなくなってしまいます。初恋の人が忘れられないヒーローはヒロインにその事を告げ、契約結婚をします。しかし、ヒーローはヒロインと一緒に過ごし、ヒロインの事を知るたびにどんどん惹かれていってしまいます。自分は今まで初恋の人が運命の人だと信じて生きてきたのに、こんなにも簡単に他の女性を好きになってしまうのかと葛藤します。ヒーローは悩んでいましたが、ヒロインに惹かれるのは無理もなく、初恋の人は少女の頃のヒロインだったのです。そうとは気付かないヒーローのもんもんと悩む姿に親しみを感じ、つい応援したくなりました。一方のヒロインは結婚を諦めていたので、夢が叶ったと喜びます。その上、ヒロインにとってヒーローは初恋の人でもありました。ヒーローが自分の気持ちを認めヒロインを溺愛するようになると微笑ましく、溺愛すればするほどヒロインの希望は叶わず、といった状況に胸が痛みました。そんな時にメイド長から告げられた言葉が衝撃的でした。当時から働いていた使用人達はヒロインがヒーローの初恋の人だと気付いていて、皆に見守られていたのです。二人だけが苦しんでいると思っていたのに、実は大きな愛情に包まれていたとても温かいストーリーに感動しました。二人の気持ちの変化が細やかに描かれ、とても読み応えがあり面白かったです!虚弱体質が治る都合の良い展開ではなく、限られた条件の中で二人が出した結論もお互いの愛情が溢れていて良かったです。
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