このレビューはネタバレを含みます▼
BL作品で初めて泣いた。とても切なかった。読了して数日経つのにまだ引きずってる。間宮というキャラは分かりやすく、下巻まで読むと行動の心理がわかるけど佐田先生は私の中ではなかなかつかめないキャラだった。だから何度も読み返した。(何なら先生のXまでチェック)佐田先生は最初はドライな人なのかと思っていたけどそうではなさそう。メスの猿にモン吉と名付けるところはユニークだし、モン吉の世話を甲斐甲斐しく自らやってるし掃除、洗濯、料理(間宮が食べる分)もやる。殺人を行う計画の会話の中でも場面場面で躊躇するが最後は受け入れて共に計画を実行する。優しい人なのかな…?と上巻で思う。下巻では間宮から夜のお誘いがあった時の戸惑いには笑ってしまった(わかる、分かるよ)その気は全くなくても結局、間宮の希望に沿った形でフィニッシュ。(いい人すぎる)後半で間宮からの熱い告白に面食らっても素直に嬉しい💗と言い間宮のことを可愛く想い始める…間宮を見つめる目がすごく慈愛に満ちていて間宮とは違った想いを持ち始めたのではないかなと感じた。結末は…言わずもがなだけど、最後に佐田先生が「後悔はない」という言葉と静かな覚悟に胸打たれ泣いた。佐田先生の中で異常な状況からどれだけの覚悟や苦悩があっただろうか、その気持ちの多くは語らず間宮のことを少しずつ受け入れていった佐田先生のことを大好きになっていた。
この作品はストーリーを追うのもいいし間宮目線、佐田先生目線で、多角的に見ていくとそれぞれからの発見がありストーリーに深みが出て更に深く感じれる作品だと言える。