このレビューはネタバレを含みます▼
総じてよく出来ていると思いましたが、絶賛するほどには感じませんでした。
他の方が書いてるように妊娠1ヶ月くらいでは、妊娠を疑うよりも生理前のいつもの不調かな程度です。妊娠を疑うほどの酷い体調不良にはなりませんし、妊娠が発覚するのは早くて妊娠2ヶ月です。なぜなら着床したタイミングからカウントされるからです。そして、自分が殺されるんだろうなと思ってそのままの状況を進行し続ける妊婦はなかなかいないと思います。愛する人との子を授かったのなら尚のこと、その先の未来を誰よりも心待ちにしているのは子を宿した母親です。普通に考えて、上手いこと言って病院変えるなりします。仮に義母と気まずくなろうとまずは「ここで殺されるわけにはいかん」と必死になるのが子を持つ母親の普通の心情かと思います。あとタケシに関する描写もちょっと雑です。母親のことは絶対的に愛していて信じていたんですよね。結婚しても一緒に暮らしていたほどですから、よほど大切で、よほど離れ難い存在だったのでしょう。でも、その母親が自分の妻を殺したという絶対的な証拠を残していないのに、なぜ妻の遺した絵だけで殺したんだと断定して思えたのか分かりません。言いくるめられるのも簡単なくらい母親が絶対的な存在である以上、そんなわけないと思うんじゃないでしょうか。タケシは父親を殺したことも知らないんですよね。母親を疑う余地がタケシにあったでしょうか。
…など、妊娠出産を経験した身としてはそんな細かなところが気になってしまって、のめり込むほどではなかったです。「絵による心理的描写」にかなり力を入れてしまったんだろうなと感じました。
レビューをシェアしよう！
ERR_MNG