特装版 恋をするつもりはなかった-double-【電子限定描き下ろし付き】
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特装版 恋をするつもりはなかった-double-【電子限定描き下ろし付き】

鈴丸みんた

ヨシノさんを大切に扱って欲しかった

ネタバレ
2024年4月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヨシノさんの存在感の薄さにガッカリでした。スピンオフ必要ないくらい、今作のメインはニコとロウ。もうニコちゃんはおなかいっぱいです。
作者さんはニコちゃん好きなんですねー。だったらいっそ徹底的にニコロウ2人の組み立てで、ニコちゃんにはしっかりロウに恋して、そして振られて欲しかったかな。ヨシノさんは姿を見せない、出ても顔が見えず、ニコは最終的にはロウに振られてラストにヨシノさんに会い、ヨシノさんの素敵さに気づく。
よくある展開ですが最低限これくらいはヨシノさんの魅力を描いて欲しかった。
ヨシノさんとロウが揺るぎないことを再確認出来て初めて、次はニコちゃんにも素敵なお相手をー、と続きのスピンオフが読みたくなってくる。
なまじ素敵BLを生み出す作者さんなだけに、こちらの要求も上がっちゃうのかもですね。
変な話、今作酷すぎて読み返した前作のロウの株が上がりました。アプローチは誤っていたけどヨシノさんへのひたむきさと熱量が、今作よりずっとずっと感じられました。
等身大の年下の男の子。
ヨシノさんへかわいい連発するロウは嘘くさーい。ロウをすぐ許すヨシノさんも嘘くさーい。前作ではしっかり1度見切りつけてて、さすが俺たちのヨシノさん!カッコイイ!ってなりました。
書き下ろしのヨシノの前で大人ぶるロウ、ほんの一コマですが前作のロウが垣間見えて好きなシーンです。……(追記)何度か再読し他の方のレビューも読みました。ロウの性格が前作と違う、ロウの味方が作品中に居ない、この2つにとても共感しました。前作のロウはこんなに会社の先輩を構い倒さない気がするんですよね。もっとクールに接しそうというか…その暑苦しさはヨシノさんだけに向かうというか、向けて欲しい。だからこそ恋をしたわけで。その辺りからロウが心変わりしそうな不穏さを感じて、これはニコとのラブ話なの?ヨシノさんは?とモヤモヤしちゃうのかも。ニコちゃんも、いつの間にか涙が止まってるなんて意味深なシーンが伏線めいていて。また、ロウに親身になって諭してくれるキャラクターが居たら、その人が読者の代弁者になって読み手のモヤモヤが晴れたかもとも。本編ではニコちゃんがその役目を少し担ってましたが、彼は当事者なので…。前作のヨシノさん以上にロウがヨシノさんへ切ない想いをするお話を経ていたら、今作の印象もまた少し違っていたかもしれません。
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