奪う者は、奪われる覚悟を





2024年4月6日
後日譚のみこちらで購入。コミックス下巻『trust you.』で、やっと被害者と向き合う覚悟を持った木場に この顛末は残酷なのか当然の報いか。どんな人間にも生きる権利・幸せになる権利はあるけれど、木場と秋鷹の甘々な暮らしぶりに複雑な思いを抱かずにはいられない。出所後の慰安旅行で温泉に行ったのかな、随分楽しそうにしてるな… と、一枚の写真にさえ眉をひそめてしまう。冤罪で服役した期間の国家賠償請求を秋鷹がしていたら最大値の計算だと7千万円近くを手にした筈で、2人働かなくても(働けなくても)困らないだろう。大切な人と穏やかで何不自由ない生活を送る中で、木場は被害者家族と向き合ったのか、少しでも誠意を見せたのか。怨み辛みをぶつけるでもなく 罵詈雑言を浴びせるでもなく、こんな場面でも敬語を使う彼女の人となりを考えてみるとやりきれない気持ちになる。勿論 正当化は出来ないけれど、長きに渡る憎しみ苦しみで臨界点に達してしまったのは理解が出来る。しかし どんな結末を迎えようと彼女は救われないだろうし、赦しもしないだろう… 木場にとって唯一の「使命」は自首した事ではないか。自分で蒔いた種だけれど、盾としての役目は果たせたのだから。木場よ、陽の光の中に何を見る?走馬灯か秋鷹か、天国か地獄か…

いいねしたユーザ3人