このレビューはネタバレを含みます▼
大島先生は色んなテイストの作品が描ける方なんだなあと、つくづく思いました。
それ故に個人的な嗜好に合う合わないが作品ごとにはあるのですが、前作では映画のように秀逸でシリアスな歴史物に感動させられたと思いきや、今度は全く真逆のバリバリ今時なアイドルもの&ラブコメでびっくりしました。そしてこの作品もすっごく良かったです!
アイドルが逆に誰かを推すっていう作品は見たことがありますが、相手がSPなのは初めてで新鮮でした。
しかも2人の背景や、出会いから関係性が少しずつ深まるまでの描写も丁寧かつ分かりやすく描かれていて、作画やコマ割りだけでなく、ストーリー構成もやはりお上手な作者様だと改めて実感しました。
一途に思い続け、謙虚で努力を惜しまないトモヤも素敵な男の子だったし、クールだけど大人の器で接してくれるケイさんもめちゃくちゃダンディで、笑いつつ心温まるお話でした。芸能人ものって何か色々上滑りしてる作品が多く、ピンと来ないジャンルなのですが、これは何度も読み返してはほっこり幸せになっています。
昔の絵柄も好きですが、近年の洗練された絵もクオリティが高く、アイドルというきらびやかな設定にも遺憾なくセンスが発揮されていて眼福でした。毎作、設定背景の取材をきちんとしているのだろうなと思えるリアリティ感も素晴らしくて、追いかけるのが楽しみな作者様です。