ダイナミクスを超越した関係性に萌え滾る！

Dom/Subを読むのは初めてです。というか、「第二の性」がある系は苦手意識があって避けてきたんですが。試し読みしたら、なでなでされてるマサが可愛すぎて。定期的に我に返る二人が楽しすぎて。思い切って買ってみたら、全編通して期待を裏切らない可愛さと楽しさ、そしてマサのカッコよさ！で、大当たりでした。
マサが、男前さと可愛さの振り幅が凄いんだけど不自然さを感じず、とにかく魅力的なキャラ。「強いDom」でありながらコマンドを受ける側になるって、その器の大きさ、懐の深さに惚れました。しかもただただコマンドを受けるだけじゃなく、Subならできないようなことをガンガンやってのけるのが、これまたカッコよすぎて。こんな男、そりゃ憧れるわ……。なのに、オトに抱きついちゃうときの可愛さよ。
オトの方は、上位Domのうえに今をときめく人気モデルで無双キャラかと思いきや、中身は素直で真面目で可愛いところがどんどん見えてきて。力が強すぎるゆえの苦しみなんかもあり、もだもだ悩んで拗らせて。なにより、マサが大好きなのが溢れまくってて……目が、表情が、全身のオーラが、キラキラキラキラしちゃってるのが可愛かった。でもコマンドを出すときの瞳がいかにも常人離れしてる感じで、ゾクッとされられる。
もともと友人だった二人の関係が変わるきっかけはダイナミクス性ゆえであり、ダイナミクス性というものが無ければ友人のままで終わったかもしれない二人。でも、特別な信頼関係を築いていけたのはダイナミクス性を越えたそれぞれの人格があってこそだよね……と、しっかり感じられるのが良かったです。Dom×Domというのがただ奇をてらった設定じゃなくて、「オト」と「マサ」というキャラならではのめちゃくちゃ萌え滾る関係性になっていました。
そして、Dom/Sub素人の私が言うのも僭越ですが、「コマンド」の使い方が巧い！ マサのコマンドはオトには効かないんだけど、作中何回かマサが「コマンド」を口にすることがあり……そこがものすごく好きです。