孤独な女王と黒い狼
」のレビュー

孤独な女王と黒い狼

春日部こみと/篁ふみ

狂ってる。

ネタバレ
2024年4月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 295ページ挿し絵あり。義母に家を乗っ取られ冤罪をかけられ追い出された元侯爵の嫡男ヒーローは、ひょんな事から豪胆で賢い王宮の娘と出会う。一時の逢瀬と分かってても惹かれ合う2人は一夜を共にするが、なんと彼女は女王陛下で…という話。身分差の恋、従兄弟の過干渉、隣国との関係など読み応えがありました。中でもチョーサーの口調、言動、行動原理など全てが気持ち悪くて吐き気を催しながらもページをめくる手が止まらないのは作者さんの力量でしょうね。最後が呆気なかったのがつくづく残念でした。肝心のヒーローですが、善良だったその性質がヒロインを思うがあまり腹黒く歪んでいくのがめっちゃソーニャで、最後の方なんかかの従兄弟と大差ないのではと思うくらい非道でした。もっと言うと、それ(婚約者暗殺)ヒロインも認識してるし応援すらしてませんか。結局歪みまくってる2人で最高でした。イラストは少なかったですけど欲しいところにあって概ね満足です。あとがきで、ローガンとマチルダの物語があると聞きこれから読みに行ってきます。
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