望まれぬ花嫁は一途に皇太子を愛す《フルカラー》
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望まれぬ花嫁は一途に皇太子を愛す《フルカラー》

紡木すあ/古池マヤ

主人公が冷遇されすぎで辛くて泣く

ネタバレ
2024年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 泣きすぎて水分持っていかれました。
主人公の境遇がつらすぎて、なのにいい子すぎて…。
幼い頃から虐げられて育ち、虐げられることに慣れているとはいえ、こんなに強くあれるものなのか。

3巻で大きく物語が動き、やっと周りの人々が主人公がいい子だったことに気付くのですが、時すでに遅し。
ここまで状況が悪化する前になぜ気付けなかったのか…。

待ちきれず単話版を覗き見したところ、彼も大いに反省してるようですが、こんな展開はあんまりだ。
この後文字通り王子様がお姫様を救い出してハッピーエンドなんでしょうが、全然救えてないですからね。
犠牲になり続けたのに文句の1つも言わない彼女の性格に甘えて成り立つハッピーエンドってどうなんだ。

悲劇のまま終わるより断然いいですが、終わり良ければ全て良しとは言いたくないほどこの作品では主人公だけが辛い目に遭いすぎだと思いました。
ヒーローにも同じだけ辛い目に遭っててほしかったと思うほど…。
悪女の嘘に簡単に踊らされ鵜呑みにしたり、彼女を傷付け続けた王子の愚かさには辟易します。
唯一の側近もあんな無能なやつで務まってたのかと疑問。
主人公のこと鼻で笑って終わらせたがために国が滅びそうだったんですよ。許せるわけがない……。

主人公がいい子すぎて、正直ここまでいい子じゃなくてもよかったのにと思うほど。
ずっと奴隷のような扱いを受けていたにしては聡明すぎるし、それならそれで主人公にもう少し上手く立ち回ってもらって、他国でオモチャにされるような未来だけは避けて欲しかったです。

王子に恨み言の1つでも言って欲しかった。
もっと人間らしくてよかったのに。
人として完璧ともいえる性格の彼女を好ましいと思うと同時に、こんな人間は現実なら存在しないと思います。
早く彼に、10年前の女の子だよって言えばよかったのに。
ただそれだけでよかったのに。
そして名前もほぼ一緒なんだから、におわせみたいに花をくれと言ってきた彼女を見て気づいてやれよ王子。

もうすぐ完結すると思うので、完結してから読めばよかったです。
とても感情移入できましたし、この作品のことは好きですが、ここまで泣ける物語じゃなくてもよかったのではと思います。読んでいて苦しすぎました。

あとタイトル変更されてますが、小説版「もう一度会えたなら、いっぱいの笑顔を」が1番この作品に相応しいタイトルですね。
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