世界の果てで待っていて
」のレビュー

世界の果てで待っていて

高遠琉加/茶屋町勝呂

いい!!!!!!!!

ネタバレ
2024年4月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ え、ここで終わるんかい!!2作目非常に気になるところで終わってしまって最後のページをめくった瞬間あっけにとられてしまった。続編が長らく出ていない未完の作品であることを知ってはいたのだけれど、まさかこの状態でおあずけを食らわされるとはーーー、気になりすぎる!つらい!
ストーリーがおもしろいとかおもしろくないとか、そんなこと以上に、とにかくこの作品の雰囲気というか、文章というか、言葉というか、間合いというか、もうほんとに大好き!1作目冒頭の渋谷の表現からして心をつかまれた。
1作目も2作目もメインとなっている事件の展開自体はさほどでもないのだけれど、平行して書かれる統一郎の過去の事件がいい感じでからんできて特に2作目ドキドキした。
本作で書かれている人物一人一人の仕草や表情や、街の情景、気温、におい、吹く風、雨音、煙草の煙、ありとあらゆるものが私の脳内で鮮やかに展開されて、なんともうっとりするような、心持ってかれる感じ、うまくいえないけどとても生き生きとしていて魅力的。
そして何よりも、元刑事で探偵の統一郎と、かつての同僚で今も刑事である雪人の関係性がたまらなく萌える!!!仕事のやり方も違うし、異なるタイプの二人、お互いにお互いを必要としていて、誰よりも大切に思っているのに今は警察と探偵という違う立場にいて。なんかこう綱渡り?薄氷の上?ぎりぎりのラインのところを歩いているような二人。お互いほんとのほんとの本音は隠しながら、”なかったこと”にしながら友人としての付き合いを続け、コップの水が溢れそうで溢れないような、薄氷が割れそうで割れないような、そんなもどかしさが二人の間にあって、この感じたまらない。いわゆる濡れ場は1作目にほんの少しあるだけで、あとはキスシーンがちょっとあるぐらい。そんでこのキスシーンが、ほんとよい!ほんとよいしか言えない。ああなんていいキスシーンなんだー。それと1作目のネクタイ!ネクタイを外しボタンをはずし、本当にささやかな触れ合いなのだけれど、これも萌えた。いつもはエロがないと物足りないと思うくらいエロ大好きな私が、エロほぼなしのこの作品に関してはエロなくても萌えに萌えたし大満足。「愛してる」って言うタイミングも絶妙じゃないですか、心ドカーンってなった。とにかく続きがほしいよほしいよーー。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!