箱の中 【講談社版】
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箱の中 【講談社版】

木原音瀬

キングオブ忠犬攻

ネタバレ
2024年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ ホーリーノベルさんで読み、こちらで再読。
殺人犯×冤罪によるノンケ平凡
数々の漫画、小説を読みましたが、いまだに忠犬攻めは木原先生のこの作品、喜多川です。
野良犬→わんこ→忠犬と、変化していく様が切なくもいとおしい。受けの堂野さんに共感してしまう。
出会いは刑務所、もちろんわちゃわちゃBLなんて非現実な描写はなく、序盤は受側の冤罪による悔しさ、絶望で満ちています。そんな彼に救いの手を出すのは喜多川なのですが…
喜多川の生い立ち、殺人の理由、それ故の人間性がもう痛々しい。そんな彼が堂野に与え、得られる反応から何かが生まれる…それは恋とか愛とか表現すらできない強い思いに変化していきます。
先生の才能のすごさは、出所後のお話。
普通ならしないだろ、という喜多川の行動が全く違和感がない。この人しかいらないっていう彼の想いをひたすら見届けたい、そんな気持ちになりました。
ちなみに、他のレビューにもありますが、後日談なしにこの話は終われないです。
無から人を求め、大切にし、される側になった彼の人生をぜひ読んでほしい。また読みたい。
シーモア様、ぜひ読めるようにしてください。
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