BLあるあると王道ラブコメ、両方楽しめる！

BLにはじめて触れる男の視点からBLの世界を描いてるのが新鮮でした。腐男子／腐女子キャラ視点でBLについてアツく語るみたいなのは何か妙に気恥ずかしいんだけど、これは一歩引いた感じなのがよかった。編集者目線からのリアルな話も興味深かったし、絶妙に誇張して描いてる部分も笑えました。「代替バナナ」が面白すぎる。作中に描かれてる漫画の帯の文とか、レビューのニックネームとか、細かいところまでツボでした。
でも笑わせるばかりじゃなくて、ラブコメとしてもしっかり読ませてくれて、バランス良かったです。
ミノルが健気でちょっと切ないんだけど、関西弁やお酒弱い属性のおかげもあってか重すぎずウェットすぎず、可愛い。私にもだいぶ「ギュン」が刺さりました。
ススムは無神経なところもあるけど、めちゃくちゃ優しいし、変なところ真面目だったりヘタレだったりで、なんか許せてしまう……というか、むしろ無神経さも一つの魅力に見えてしまう。人たらしタイプ。「〜～だねぇ」という柔らかい話し方が好き。
無自覚ギュンからはじまって、ドキドキ・ムラムラもちゃんとあり、誤解やすれ違いあり……の王道展開。
激しく心を揺さぶられる感じではないけど、萌えと笑いを供給できて、幸福感の高い作品でした。
「～～なのだった！」みたいなナレーションが入るのも絶妙でした。