2072
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2072

三月えみ

泣ける…

ネタバレ
2024年4月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作2055の続きかな?と思ったので復習してから読みました。前回は短い中にズシンと心に響くSFストーリーでしたが、今回はかなりのボリュームを使ってさらに心に訴えかけてくる、メッセージ性の強い内容でした。
スルガとサガミ(なぜ静岡?)の関係性の切なさはもちろんのこと、2055に出てきたアオイの存在がお話に奥行きを与えています。
何をもって人を人と定義するのか?読み終わった後ずっと考えてしまっています。
記憶なのか、肉体なのか、心なのか、脳なのか。単純に推し量ることのできない、定義づけできない人間という生き物の複雑性を、斬新な切り口で描いてくださる三月先生の手腕にさすがとしか言いようがありません。
色々と考えさせられる内容ではありますが、サガミとスルガが選び取り、そして繋がることを決めた選択にはほろりとあたたかい涙がこぼれます。
時間のある時にぜひゆっくり読んでいただきたい作品。
このシリーズがさらに続くことを期待しています!
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