愛だなんて言わないから
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愛だなんて言わないから

日暮くれ

好き、について。

2024年4月28日
好き、について色々考えさせてくれるとても良い作品でした。
若い時に読んでいたら未熟な私は藤次にイラッとしていたかもしれませんが、今は、八千代が語る無神経な藤次が好きだったという言葉が刺さりました。
幼さゆえの無神経さが、人を寄せ付けない壁を作る八千代に、八千代自身も、気づいてなかった欲しかった熱をくれたんだなぁ、と。
八千代が結婚してしまって、やっと自分の八千代への好きの気持ちの意味に気付いた時の藤次の表情、藤次を想う聖人の好きは、愛だからか、熱を求めてるからか、八千代の結婚相手の言葉も含め、とおっても沁みて、考えちゃいました。
キュンキュンやエロを求めて読むと物足りないかもだけど、この一冊で、深い讀書をした感覚になれる素敵なBLです。
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