ダークホースの罠
」のレビュー

ダークホースの罠

谷崎泉/yoco

みんなちゃんと寝てー

ネタバレ
2024年5月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 刑事たちの過労死が心配になる作品。そしてメインの胡桃とカミルより圧倒的に脇の鷲沢と南野が気になってしまった。こんな終わり方をされたら鷲沢と南野のことばかり気になって他がふっとんでしまう。
なんとなくロードムービーっぽいなと思ったけど、単に長野から移動したせいかな?
胡桃はとにかく仕事一辺倒な生活で、恋愛はご無沙汰。一人であることが当たり前であった胡桃の暮らしに迷い込んできたかのような謎の美貌のヴァンパイアと美少年甥っ子。この三人が物語のメインとなり、同時に展開される事件捜査と人探し。殺人事件の捜査であるのに作風はコミカル。
全体的に胡桃とカミルのからみが少ないように感じて、胡桃が忙しい合間に二人がやっと会えたと思ったらカミルがとりあえず胡桃の上に乗っかっちゃいましたーが繰り返された印象。美しく純粋そうな印象のカミルが、性的には奔放な点は自分好みだけれども、もっと胡桃とカミル二人の交流の場を作ってほしかったと思ったが、胡桃がこれだけ働いてたら仕方ないか。事件の展開が少し間延びしたように感じたので、もう少しぎゅっとまとめてもよかったような。ベネディクトついに登場か?のあたり、後半ぐらいから展開に勢いが出てぐんぐん読めた。
胡桃とその部下たちの関係ややり取りは楽しく、文句をさんざん言いながら仕事はきっちりやる玉置、しょっちゅう連絡がとれなくなる笹井、返事はいいけど仕事の遅い碓氷とかのいる職場というのは見覚えありまくりで親近感わいたが、脇役たちが生生しく描写されていた分、カミルと胡桃の関係性の描写があっさりしていたように感じた。甥の朝生に振り回される胡桃の感じもよかったし、ヴァンパイア設定とか、カミルの性行為に対する考え方とか、いろいろおいしい点があったのに、自分的においしい設定だからこそ、もう一息、もう一刺し?何か足りないような感じがした。でも好きな感じの作品。(プリン)
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