このレビューはネタバレを含みます▼
肉食と草食の動物が共に生きることの残酷さを、シルフの母だけでなくカムイで締めくくるのがとても良かったです。簡単に人間の世界に置き換えられないからこそ面白くて、シルフの母について単純に責められる問題でなく、これからも起こり得る、覚悟するべき事なんだと思った先に起きたカムイ…。シルフが逞しくて、その覚悟にグッとくるし、デュークが一人ポツンと湖のワニとナイルチドリの姿を眺める弱々しい姿に泣けました。お互いに生きることの悲しみを抱きながら相手のために強く生きようとするのがとても貴いです。ヒトの姿と動物の姿を場面で書き換えるのも良くて、読んでいてもしっかり動物として認識しつつ、感情面でとても共感出来ました。すごく満足度の高い作品です!読んで良かった!!