オメガ・リバース~番えない君は夜に溺れる~
」のレビュー

オメガ・リバース~番えない君は夜に溺れる~

すぎちよ

いくつもの夜を乗り越える

ネタバレ
2024年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ プラチナオメガのほうが好きですが、こちらも良かったです。オメガバースにオリジナルの設定を加えるのが上手くて、新鮮な気持ちで読めます。『力は使い方』って歴史、映画や小説でも見てきたものですが、作品の中でエッジが効いててちょっと社会派な雰囲気と合ってるし良かったです。自分をすり減らして誰かを助けることに自分の存在価値を見出す姿が切なくて、それに世界中からΩをデリート出来たとしても差別は無くならないから根本的な解決にはならないのがまた辛い。だからこそソウ自身の幸せを見つけ出せたのは嬉しかった。新がαのままでΩのソウと番でハッピーエンドじゃないのが良いラストだなあと思いました。多分そっちにした方がロマンチックで喜ばれそうですが、新は戸籍もなく、社会は性差別は無くならず政界もドロッドロ。とても現実的で困難だらけ。それでも懸命に小さな命を守りながら生きてる2人が眩しいです。あとがき読むと話数が増えてったのかな?それを考えるとよくまとまってんな〜って思います。話が込み入ってる割にあっさりの部分も多いので二冊分あったらもっと深みのある物語になったとは思いますが。あと個人的にはマサをもうちょっと好きになりたかったな〜、あれだけだとまだ金目当てだけの男に見えちゃうのでもうひと絡み欲しかった。
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