甘い視線 ~王太子の婚約者は救国の騎士に溺愛される~
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甘い視線 ~王太子の婚約者は救国の騎士に溺愛される~

真白燈/水野かがり

積年の想いと愛されたい気持ちが結ばれた。

ネタバレ
2024年5月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 真白燈様6作目の書籍化で、ご本人が騎士の溺愛の話だとSNSで公言されていたので、とっても楽しみに待ちわびておりました!短編のため発売初日に一気に読破しましたが、この何というか、読了感と高揚感が合わさってジーンとしておりました。
マリエルちゃんが求めたのは自分だけを見てくれる変わらぬ愛情、ライオネル君が求めたのは誰にも侵しがたい気高き心、王太子が求めたのは堅苦しさを忘れ逃げるための息抜きの場所、イーリカ嬢が求めたのは自分を掬い上げてくれる絶大な力。
それぞれの望みは叶ったにも関わらず、道程は天と地の如く分け隔たれたのは、相手の事と現実を見据え大事な事を見失わず優先できたマリエルちゃんとライオネル君に比べて、王太子とイーリカ嬢は現実をおざなりに己の今の気持ちしか見なかったから。
陛下が為政者としてちゃんと取捨選択を間違わず、自分の息子を切り捨てた事が良かった。きっとこの陛下なら弟殿下がいなければ王女の方に王位を継がせたと思う。
年の差も身分も自分を心から欲してくれるならば関係なく、なおかつ命懸けで自分の元に辿り着き現状から奪い取ってくれたライオネル君に全てを捧げようとしたマリエルちゃんの想いはとても誠実さがあった。
私を愛してくれた貴方を愛したい・愛させて、その想いから繋がった二人の気持ちは揺るがない一途さがあった。
真白燈様は心理描写に長けていて、どうしてそういう展開になったのかが違和感無くて、TLって括りじゃ正しくない、真白燈様の作品には苦しんだ果ての純愛が待っているから。
立て続けに書籍化おめでとうございます、ずっと真白燈様の作品が世に出ることをもうずっと望んでいたので、ただひたすら嬉しいです。
これからも追っかけます、真白燈様頑張って下さい!!
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