あねおと
」のレビュー

あねおと

元町夏央

喪失体験と家族

2014年4月6日
喪失体験と、家族の再構成。あやういバランスと、家族の終演の話し。
完全に大人向け
一過性の性的な読み物を求める方にはオススメできません。

以下一部ネタバレ

家族の死別を抱えた主人公と家族。そこに母の死別により「家族」が崩壊したまま淡々と少年でいる「喜一」くんが、義理の弟としてやってきます。

主人公が、遺骨を海に撒いている時
初めて出会った喜一くんの一言

ぼくもそれ、持ち歩いてるよ

「死別」を何処かもちあるいて、どうにか生きている。
父:家族を増やし仕事でバランス
母:死別を認められない。喜一を迎えて、忘れたなんて許せない。回復の為に擬似家族を保つため見ないふり
姉:向きあえない。
義理弟:普通に笑って、あまり感じないで、音楽とドラムの中で閉じこもって自分を保つ。子供のまま

同じ痛みを抱えた2人
死別からの回復
生きる方向へのエネルギー転換として「姉と義理弟」の関係でした。

別レビューで
「女性作家だから」とありますが
私がよんだ感じだと
作品のベースは
「悲嘆の心理構造」のなかでも
予期しない突然の死別がテーマだと思う。

いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!