愛されたくて整形しました
」のレビュー

愛されたくて整形しました

鈴木倫

整形したから気付けたのだと思います。

ネタバレ
2024年5月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 親含め周りの人間が情けない人達ばかりで、主人公の自己肯定感が下がってしまうのも仕方ないと思います。
そんな環境で生きてきて卑屈になるなと言われるほうが無理な話です。

そんな主人公は、整形によって見た目のコンプレックスがなくなったからこそ、自分の気持ちを変えることが大事なんだと気付くことができたのだから、整形自体良いことだったのだと思います。

私は化粧をしてから自信を持つことができたのですが、化粧が上手になる前は垢抜けない田舎娘で人の目線が怖かった時がありました。
たまたま化粧だけで納得できましたが、そうでなければ整形を選択していたと思います。
納得できた先に初めて気付けることだってあるのですから、人がどうのこうの言うことではないですよね。

ただ、いくら見た目だけではないとわかってはいても、歳をとってシワが出てきたりと、若さや美から遠ざかる事により損をすることも多くなってきました。
それにより焦りをまた感じるようになってきました。やはり世の中、美人が得をするというのは世の理となっているのですよね。
ですが、チヤホヤされる立場でなくなった時に、その自分を受け入れられる心を持つことが大人になるということだと最近は思えるようになってきました。
美はずっと保っていられない物。良い歳してそれにしがみ付き過ぎてはみっともないんだと気付き始めた今、老いることへの不安が減り、しっかりとした年相応の考えができる大人になれてる安心感がでてきました。
これからも、老いはどんどんとやってくるのでしょうが、嫌われないような最低限の清潔感は保ちつつもそれらを受け入れ、自身の心を成長させていきたいとおもいます。
自分語りになってしまいましたが、改めてそれに気付かせてもらえた良い作品でした。
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