僕と嘘と狼少年
」のレビュー

僕と嘘と狼少年

海野サチ

見所は百面相

ネタバレ
2014年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「三輪さん」が最初から最後まで見た目も中身もどんどんキャラが変化しまくっていくのが凄いです。場面によって強気のチンピラ風な攻めだったり、色っぽく儚げな受けっぽかったりと、もはやこれは同一人物なのか?というぐらい表情が変わります。対して蛯原君は一貫して純情真っ直ぐないい人で、だから本当の三輪さんを見つけることができたのかな?。
タイトルも意味深で「僕」と「狼少年(属性:嘘つき)」の間にさらに「嘘」が挟まっているんですね。この狼少年は「豹変する人」でもあり「狼みたいな疑似親(巽さん)に育てられた」という意味も含んでいるかもしれませんが。(この巽さんと三輪さんの疑似親子関係も要注目!)
そして最終話の後のおまけが「狼になりたい」というヘタレ感のあるサブタイトルなのが可愛いです。良い嘘と悪い嘘が入り乱れて(時には読者すらも騙しながら…)シェークスピアのような大団円に向かう、ちょっとバイオレンスでちょっと切ない、スリルと感動の(?)、運命を変える出逢いの話でした。思わず2度読みしたくなる作品。お薦めです!
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