ウエディング四重奏~見送る背中~【合冊版】
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ウエディング四重奏~見送る背中~【合冊版】

秋田ケイチ/綾音

仕事と恋人、どちらを優先させるべきか…

ネタバレ
2024年5月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ (言葉足らずだったため修正)好きだった別の作品で、激務に追われて恋人とほとんど会えない状態の主人公が、ようやく会えたと思ったら恋人の隣には別の人がいて、その相手に「仕事を優先して彼を放っておくなんて恋人失格。私が代わりになる」と言われて恋人を奪われそうに…という展開を見て、なんで一生懸命仕事をしている主人公がこんな目にあわないといけないの、と怒りとモヤモヤが募っていたところにたまたま目に入ったこの作品。仕事と恋人のどちらを優先するべきか、という問いの一つの答えのようで、読んでよかったと思いました。
ウエディングプランナーの主人公は、彼からのプロポーズの返事を仕事が落ち着くまで待ってほしいと一年半もの間引き延ばしているうちに、彼に「他に好きな人が出来た」と振られてしまう。
ショックからようやく立ち直ろうとしていたところ、彼と新しい彼女が主人公の勤める結婚式場に依頼にやってきた。しかも新婦は主人公を担当に指名する。
主人公が元カノだと知っている新婦の、あからさまでわざとらしい幸せマウント攻撃による心労で倒れそうになったところを助けてくれた上司。上司の支えで今度こそ笑って元彼の背中を見送ろうと奮闘する健気な主人公。
辛いのに、しっかり自分の仕事を果たした主人公が立派で好感が持てました。
主人公は仕事を優先させることで、自分の幸せを後回しにしてしまい、恋人にも我慢を強いていたことに気づいていなかった。元彼も主人公と話し合おうとせずに一方的に関係を切った。
お互いの信頼関係ができていなかったので、遅かれ早かれこんな結果になっていたのかも。もっとお互いに話し合えば違った結果になっていたかもしれない。
上司とは、過去にお互い同じ失敗をして、今度こそ相手を思いやり上手く行くよう努力しよう、と前向きな関係を築いていく姿が見えて、これからの二人の明るい未来に希望が持てる終わり方でした。
性悪略奪女の策略にまんまとハマった元彼はちょっと可哀想だったけど…そして略奪女に制裁も下らないのでスッキリしない人もいるかも。
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