このレビューはネタバレを含みます▼
レビューとしては最高に尽きます。
前作読んでた方は迷う事なく買うべきです。この作者さんの作品のいいところは全てのキャラが魅力的で、作者さんの考え方自体が面白い所なのだと再確認しました。かのこではなく、山田と杜若さんがメインで躊躇したとしても絶対に買ってください。大丈夫、最高です。
前作読んでない方は……正直これ単品より「恋だの愛だの」から読む事をオススメします。初めての人でも楽しんでもらえるようにとは書かれていましたが、作者さんが「二次創作を描きたいと思い、二次創作したくなる大好きな漫画が自分の過去作・恋だの愛だのだった」と語っています。原作を知らず二次創作を読むのはそこそこハードル高いと思います。
まあ、ちなみに「恋だの愛だの」も「笑うかのこ様」の続編にあたります。道は長いですね……。
さて、以下は書きたいので書くのみです。
「笑うかのこ様」を読んでいた頃、私は中学生でした。独特の理論武装と突飛な展開に、めちゃくちゃ面白いとトリコになった事を覚えています。
その後続編にあたる「恋だの愛だの」が始まり歓喜し、椿くんの格好良さにもますます磨きがかかり、ストーリーもキャラも一番大好きな漫画になりました。
社会人になっても少女漫画が好きで、花とゆめとlalaを中心に、お洒落で繊細な漫画やギャグ寄りの漫画も沢山読んできました。他にも好きな作品は沢山できましたが、今でも「恋だの愛だの」は私の中で上位に位置しています。もう終わってしまったと思っていた思い出の漫画がこんな形で帰ってくるなんて。
辻田先生の新作が一巻以降発売されず、もう漫画自体描かないのかもと思ってしまっていたこともあり、感涙ものでした。ありがたすぎます、大袈裟ですが頑張って生きてきてよかったと思いました。ご褒美です。
個人的にですが、桃ちゃんや夏草君のようなフワフワしたキャラが主人公ではなく、山田のような人間味溢れる地に足のついたキャラが主役なのも良かったです笑 卑屈さとか若干の苦さに共感できる作風は、他のキラキラした少女漫画とは一味違う、辻田先生ならではの良さと思っていましたので。
幸せな続編が少しでも長く続く事を祈っています。