黒猫の黄金、狐の夜
」のレビュー

黒猫の黄金、狐の夜

伊達きよ/yoco

重かったけどよかった

ネタバレ
2024年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 親に捨てられた狐獣人コガネが拾った黒猫のクロ。
その子は記憶も無く目も不自由で人の姿にもなれず鳴いていた。
二人は孤独を癒やし合うように寄り添って生きていく。
お互いだけを信じてお互いだけを必要として。
しかしその二人にも別れの時が来る。
クロの将来を慮って、コガネは自分の身を犠牲にして教育を受ける道へとクロを送り出す。
そこから読んでて本当に辛かった。
自己犠牲の尊さ、けれどそれが相手を傷つけてしまう事もある。
相手のことだけを思ってというのは、ある意味傲慢かもしれない。
しかしその自己犠牲が悲劇になる寸前で二人がともに歩める方向へと運命は動き出す。
いやもう本当に間に合ってよかった。
かなり重たいテーマだったと思いますけど、可能な限りの建設的な終わり方でほっとしました。
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