物失型キラキラブルー【コミックス版】
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物失型キラキラブルー【コミックス版】

キカ糸

「人形型モノクローム」前日譚なスピンオフ

ネタバレ
2024年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「人形型モノクローム」でなにかと木綿を助けてくれたキルトのスピンオフ。キルトを購入した朝柊の息子・真昼×ラブドールのキルトの出会いを描いた上下巻。前作がすごく好きだったけど、こっちもよかった。裕福な中年男性・朝柊に買われるも性的な接触は一切なく、朝柊好みに着飾られるだけの毎日。誰にも会うはずのなかった屋敷を訪れた朝柊の息子・真昼との出会いで知った幸せな時間もつかの間、そこから辛い日々が長く続いてしんどかった。前作同様に猫やラクダが重さを緩和してくれたとはいえ、「人形型〜」ではあんなに自由で幸せそうだったキルトからは想像もしていなかった展開。リセットを繰り返すキルト(とアゲハ)を追う真昼、もどかしいばかりでどんどん悪くなる状況が歯痒くて辛くてたまらなかった。ずっとキルトが戻るのを待ち侘びていたけど、いざそうなるとアゲハの存在があまりにも切なくて。戻らない記憶には大切なものも苦いものもあり、これからは幸せだけを積み上げていって欲しい。ラストシーンで心底ほっとしました。よかった。
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