この王子様から逃げ切るのは難しいかもしれないシリーズ 合本版【初回限定SS付】【イラスト付】
ほづみ/氷堂れん
このレビューはネタバレを含みます▼
貴族から平民となってしまったヒロインに恋をした王太子のヒーロー。迫っている王太子妃問題をとりあえず回避するためにヒロインに協力を求めます。出会うはずのない二人の出会い、ヒロインの知性と働きぶり、あれこれ理由を付けてヒロインに会いに来るヒーロー、ヒーローの正体と政治的背景、見知らぬ令嬢に恋に落ちる作戦…と前半はドキドキ要素たっぷりでスイスイと読み進めました。が。いくらヒーローがヒロインに告白しても、自分はいずれ王になるヒーローの王妃に相応しくない、夫なしでは生活できない関係にはなりたくないと、ヒーローを好きなのにヒロインは頑なに断り続けます。少々甘ちゃんだったヒーローが頑張る要素としては良かったですが、王妃ではなく文官としてヒーローを支えたいと、完全に繋がりを断つ訳でもなく（王太子からの提案だったのは分かりますが）見習いとして側で過ごすなど、ずるずるとお互いの未練だけを増大させるような立場でいるのが、ジリジリがイライラに変わりそうでした。その後も紆余曲折ありますが、全てヒロインの気持ち次第でハッピーエンドとなるのにと思ってしまうような展開で、初の女性文官になりたいと頑張っていたのが意固地になっているように見えてしまったのが残念でした。
その後はヒーローの側近のストーリーが続きますが、こちらの方がよっぽどスッキリしていて読みやすかったです。
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