【特装版】依存の楔【電子限定おまけ付き】
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【特装版】依存の楔【電子限定おまけ付き】

akabeko

2人だけの世界、歪な愛のカタチ

ネタバレ
2024年6月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 記憶を失くした男×恋人だと名乗る男のミステリー仕立ての病み系作品。不穏な空気を纏った記憶や台詞から何となくこんな筋書きかな…?と思って(思わされて)いたけれど、見事に予想を外してくれました。としの記憶と本性が甦ってからのゾクゾクする展開を期待していたのでちょっと肩透かし感はありますが、これはこれで興味深い題材ではあるかなと。ただ 真相が分かってからの話の組み立てがQ&Aみたいだし、6話ある割に表面的な部分しか描かれていないので読み応えはイマイチでした。登場人物2人だけの設定に拘らずにモブや噂話なんかを上手く使ってとしを俯瞰して見せる演出等があれば、としの「得体の知れない存在感」が際立ったのではと思いましたし、どうやって生活して来たんだろ?ノンケなのにボーイズバーに?? …等々の小さな疑問もあるので、仄めかす程度でもいいから背景が少し見えればな~と。余りにもとしがポッと出過ぎる人物で、それが作品の奥行きに影響している気がしました。長編ならばもっと色々と掘り下げて描いて欲しかったですが、個人的には短編にして思いっ切りダークに振り切って病みの闇落ちにした方が面白く仕上がったのではと思いましたし、そっちを読んでみたかったです。でも 内容云々よりも本作にハマらなかった一番の理由は見た目もキャラも病み具合も微妙だったまちですかね~。残念ながら色気も魅力も感じられなくて気持ちが乗らず、BLにおける「受け」の重要性を再認識させられた気分に… 単話の表紙に惹かれつつも、本作はakabeko作品の中で唯一の3点代評価でずっと購入を迷っていました。少し前に値引き+クーポン+ハッピーランチアワーでほぼ半額になったのでポチってみましたが、この評価は妥当なものだと思いましたし、内容的にこの価格での購入にして良かったなと思いました。本編+特装版限定描き下ろしマンガ1P+あとがき ⇒ 総171ページ、修正は白抜きです。
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