このレビューはネタバレを含みます▼
ストーリーは不運な運命が決まった女性の体に入り込んだ転生者が、器となった体の悪運から逃れようと言うところから始まりました。
しばらく自分を保護して庇護を与えてくれるよう彼女が婚約契約を持ちかけた受け皿が、ちまたで噂の金髪庶子のお相手ゼラードです。
原作ではゼラードはねちっこい男色家で、本筋の話の主人公である青年に執着してまわっているのを知っていたので、彼女は自分に興味を持たず手を出さないだろうと見越して婚約を持ちかけました。
しかしそれをみて黙っていなかったのが、彼女を虐げていた実家連中と、彼女が良く知った「ある男」だった。という感じです。
話はさくさく進んでいきますし、ねちっこくどろどろ苦しい話も長々続いたりせず気持ちよく面白く読めますし、よくある転生貴族者の話と違って二人の関係や二人を取り巻く環境は独自性が強く、割と小気味良い内容でどんどん先が知りたくなり読み続けましたが…
回帰者である彼が大公と一騎打ちしたあたりから、なんか妙な無理を感じる展開に…。まさか…と不安になりましたがまさかは的中しました。その後のストーリーは「はぁ!?そんな適当?」って思う駆け足仕上げでした。。。何か作家の心情か境遇におきたのだろうかと思う展開に…。
こんなの納得いかない終わりでした。「広げた風呂敷をまとめきれなくなって、作者が適当に最期は力づくで蓋をした」というのが正直な感想です。
彼女の病気は?、よく知った「あの男」は?、実家連中は?アレコレ放り投げて単純に、駆け足で二人の関係だけ片付けて終わりでした。
もしかすると「放置した核心にいる人物のこと」を外伝などで書くつもりなのかもしれませんが、現状では「恋愛話に目線を逸らして誤魔化された」という気持ちが強いです。