君のことを好きにはなれないと言われたので、白い結婚を続けて離縁を目指します
桜百合/三浦ひらく
このレビューはネタバレを含みます▼
初夜で言ったことは誤解ではなく事実。王太子妃に対する想いも自分では恋心だと思っていたのだから。髪色のことを言われたらヒロインはショックだよ。一族まで否定された気持ちにもなるだろうし。言葉が足りないのではなく思いやりがない。ヒロインもヒーローの中身を知らず王子様然とした容姿に惹かれただけだからお互い様といえばそうなのか。物語になりえない政略結婚とか庶民の戦前の見合い結婚もほんとはこんな感じだったのかな。
とはいえ、これほどどうしようもない人物にしなくてもよかったのでは…この年でこんなになるまででヒーローを放っておいた公爵夫妻も王太子妃もサマンも…。それに個人的に童貞いじりも好きではないので、そこからラブラブイチャイチャ絶倫になりました、ってなってもどよ〜んとした気持ちは晴れず。外見とは全く違うポンコツヒーローとしっかり者のヒロインが最悪の状態から気持ちを自覚し伝えあい溺愛関係になり家門も上手くいきました、という話にしたかったのだろうけど…。この手のお話は好きなのに、スッキリしない。ダメ男の可愛さとかを読者に感じさせるためだけに情けなさの設定を追加していくように見えて。ヒロインの気持ちの移り変わりも表現不足かな〜。一気に読んでなんとか最後までたどり着いた。あと、このヒーロー言葉も足りず人の思いや動きを予想することもできなく常識も薄く、ずる賢いこともできないので内政や外交を含む宰相仕事ができるとは思えない。思い込みの激しさや一途さで研究職で優秀とかならわかる。そういう人物像の整合性のなさとかの粗さに引っかかって入り込めなかったのかも。キャラの魅力やもっと突き抜けさや勢いがあれば細かいことも気にならずで満足できたのだけど…。
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