BLゲームの悪役令息なのに攻略者に襲われるのだがどうすればいい?
仙崎ひとみ/黒埼
このレビューはネタバレを含みます▼
転生した悪役令息が無双する様子はスカッとした〜。チート級の魔術や薬草の知識バンバン使って。いくら嫌われ者の悪役令息に対してでも攻略対象はみんなで馬鹿にして性格も口も悪くてゲンナリ、って感じだったので。そいつらに言いたいこと言ってギャフンとさせるのが気持ちよかった。こういう悪役転生物って死亡エンドや追放エンドを恐れてビクビクしがちで大人しく、遠回しな物言いしたり、目立たないようにするばかりだったから。受けの主人公とだけ仲良くなればいいとするのが潔い。悪役令息のフィンにあんなに酷い扱いをしてた攻略対象たちがこぞって好意をもつようになるのは強引に感じた部分もある。正直誰ともくっつかない終わりでよいのではと思ったほど、とにかくどの攻略対象もイマイチ魅力を感じなかったし、エリオットも微妙だった。でもゲーム主人公の受けのノアをヤンデレにしたのは高ポイント。何より、名前も知らなかったモブで取り巻きのトーマスとハインツの存在が良かった。最初からフィンの中身が変わったことに気づいて、それでもずっと一緒にいてラスボスの魔の手に立ち向かったり。あ、二人とも気付いたな、という描写が最初の方にあったので監視役なのに味方としていてくれてるんだと思うと安心した。自分としては、攻略対象の魅力のなさ、対ラスボスや恋愛展開などの粗さを転生後のフィンの遠慮のない言動と取り巻き二人の存在が補ってサラッと読めて良かった。
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