つま先から愛されて【嗅いで、舐めて、擦りつけて。単行本版】
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つま先から愛されて【嗅いで、舐めて、擦りつけて。単行本版】

松本ノダ

裸足の心

ネタバレ
2024年6月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作者さんのねちっこい身体やエロ描写が好きです。
短いながら物語としても読み応えあります。
BL漫画読んでるとひとつのテーマで描かれるものが多いので、フェチものって本当に多いのですが、フェチ描写だけで話を展開させるのって本当に上手い作家が出来る表現だと思います。下手したら薄っすいペラペラの中身のない話になっちゃう。
出会いが恋の始まりにはあまりにもどうしようもない、次の日になれば黒歴史待ったナシ!なのに、明日佳のヤバイ行動に惑わされて被害者の田間村は妙な癖を開花させます。
裸足で始まりラストのピークも裸足へ帰ってくるのは、物語として定石ですがやっぱり気持ちが良いです。
初めて好きになった男が買ってくれた高い靴を大事に履き続け、男から逃げ出すときは裸足で、そいつから田間村へと気持ちが動いていく経過を、田間村の家からかっぱらった大きなサンダルで表す。走り出せば脱げてしまう自分のサイズとは合わない大きなサンダル。最後は量販店で買った安いだけの、だけど自分で買ったスニーカー。明日佳の心理表現と物語の展開が上手く重なっているので読んでて楽しかったです。
プラス二人のキャラクターが可愛かった。まあ自分をぞんざいに扱ったゲス男を部屋にいれるような行動はすごく嫌いですが(そういう相手とホテルとか密室に行く展開ってホント嫌だ)、なんだかんだ明日佳がちゃんと愛されて良かった。
あの男、これからもずっとあの靴持ち続けるのかな?いやぁ、なかなかですよ、ほんと。
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