燻る煙のなれのはて【電子限定描き下ろし付き】
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燻る煙のなれのはて【電子限定描き下ろし付き】

篠崎マイ

しっかり歳の差、年上攻め

ネタバレ
2024年6月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙見て、5〜9くらいの歳の差かと思ったら、14歳差。攻めの晴臣が中学生の時に生まれた従兄弟が真咲。幼い頃から懐いてて好きだった晴臣、真咲にとってはかっこいい大人に見えてました。でも、何年振りかで会った晴臣は、だらしのないオジサンになっていて。でも、その姿に100年の恋も冷めた…とはならないんですね、真咲。筋金入りの片想い。真咲にとってはずっと片想いの相手。でも、そうでもなかったみたい。東京で作家になった晴臣が、しばらく地元に疎遠になっていた原因が、初めての賞を取った小説。真咲と自分をモデルにしたその作品を、「恋だ」と評されて、気付かされる。その気づいた気持ちを晴臣は「気持ち悪い」と思った。そこが、好きなところです。赤ちゃんから見て来た14歳年下の従兄弟。成長をずっと見てきた真咲との思い出が、従兄弟としての情以上だったと気づいた時の嫌悪感。そこ、それがいい、そこで逡巡してくれたのが好感です。だって、気がついた時の真咲はまだ少年で、晴臣は大人だったから。BLあるあるで、すぐに手を出さなかった、晴臣のヘタレさが良いんです。そんな、良識ある風な態度をみせてた晴臣が、真咲と両想いになってからは、いろいろ加速気味で苦笑。とあるジャンルの作家らしく、「幼妻調◯」って、なんか、晴臣×真咲そのまんま!
それにしても、晴臣の小説「鳶色の少年」、そちらのニュアンスのBLもありだなぁと思います。読んでみたいです。
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