或るシカリオの愛
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或るシカリオの愛

砂原糖子/稲荷家房之介

とてもよかったです

ネタバレ
2024年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 古道具屋の店主 ジャレス・マルティーニ 30代前半×殺し屋 ルカ 21か22歳くらい
メキシコに似た架空の街ミノシエロが舞台。街を離れる密売屋に不用品と一緒に置いていかれたルカをジャレスは嫌々ながら家に置いて店の仕事を手伝わせます。このお話、めっちゃよかったです。文章がすごくいいんです。クールで乾いた感じ、情景が浮かんできます。ジャレスはスペイン系の白人で青い瞳のすごく背の高いイケメン、ルカは褐色の肌に黒髪 片目だけが鳶色に見える黒い瞳、かわいい系の少年のような男。ジャレスはルカに自立して家を出ていくように言うのですが、ルカは殺し以外に得意なことがなくて、体を売るしかないか!ということになってジャレスが仕込みの手伝いをするという、愛のないところからいろいろありまして。アクションあり抗争めいたのあり、異国情緒を味わえておもしろかったです。後半のお話は前半と違ってフンワリしているかのようでまた違う雰囲気を楽しめました。ある出来事から心が枯れてしまったジャレスと誰からも大事にされてこなかったルカ、彼らのたどり着くところを読んでみてください。シカリオ=スペイン語で暗殺者
2023年11月 総303p 挿絵あり
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