いとしいぼくら【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】
夕倉アキ
このレビューはネタバレを含みます▼
うっとり見とれてしまうほど繊細で緻密な美しい線で描かれる絵と、優しく紡がれる物語のバランスに心が洗われるようでした。
主役の竜や恵麻だけでなく、登場人物たちがなにかしらのコンプレックスや人に打ち明けられない痛みをそれぞれ抱えていて、「自分のことを責める自分」「自分のことをけなす自分」と必死に向き合おうと奮闘している姿に本当に胸を打たれました。誰もが経験したことのある感覚なのではないでしょうか。
「自分のことを好きになろう！」と思えるハッピーな物語もたくさんありますが、「自分のことを好きになろうとしすぎて疲れる、そんな日もある、そんな日はそれでいい、落ちるときは落ちたらまた前を向こう」と、その先まで言ってもらえる作品は貴重だなと思います。
とにかく竜と恵麻が可愛くてずっと二人を見ていたいです。
二人の関係がやっと始まったところで終わってしまったので、これから二人の関係がゆっくり少しずつ深まっていくさまが見たいです。心から続編が読みたいと思える素敵な作品でした…(;_;)
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