傷心公爵令嬢レイラの逃避行
」のレビュー

傷心公爵令嬢レイラの逃避行

染井由乃/鈴ノ助

静謐で歪んだ愛情の世界

ネタバレ
2024年7月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 登場人物が漏れなく皆歪んでますな…ヒロイン:レイラすら公爵令嬢としての立場や両親(毒親)への愛情に囚われすぎて歪んでいる。最初から最後までまともなのはレイラ付きの侍女くらいか?レイラはリーンハルトさんと出会って彼と彼の家族から受ける愛情を受け取ることから紆余曲折ありながらも囚われの過去から抜け出る力を得るけど、王子派の私としてはWeb小説の王子ルートの存在を心の励みにしてこちらの正統派ルートも推します、レイラに甘々過ぎてところどころおかしくなっているリーンハルトさんとの幸せな結末も好きです。でもクソ毒妹のせいで歪な執着に墜ちていく王子の歪んだ狂愛も好きなの…!このお話の凄い所は至る所に伏線があってちゃんとそれが後々活きてくるところ。一気に読んだ後はなかなか現実世界に戻るのが難しいくらい、この静謐な狂気が生み出す闇の中、ドロドロなんだけど何故か品があって世界観を最後まで壊さずきれいに描ききっている。狂愛、偏愛好き人にオススメします!
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