温かく見守りたい尊い夫婦

ネタバレ

2024年7月30日

このレビューはネタバレを含みます▼ 忍びとしては落ちこぼれ、里で重宝されているのは怪力ぐらい、だけど心優しく素直で謙虚で芯がしっかりしているヒロインのあやめが可愛い。稀代の天才のヒーローの正真は忍びの里の頭領で、無表情で口下手で愛情表現が苦手。初めは、二人は枕指南という体裁から身体を重ね結ばれるが、実は二人は初めから両想いだった。あやめは正真に一目惚れをして一途に想い続け、正真はドジで可愛いあやめを放っておけずに陰ながらずっと見守り続けてきた。
正真の兄もあやめが好きだということを知って、あやめを兄に取られるのを避ける目的で、ずっと固辞してきた頭領の座に就く代わりにあやめを嫁に望んだのだった。
だが、夫婦となった二人には大きな誤解があった。正真は言葉足らずで、ハッキリと好きだ愛してると言えない。あやめは、正真には他に想い人がいるのだと固く思い込んでしまっている。しかしそれでも夫婦の営みはしっかり多く盛り込まれている。正真の愛は表面はクールだけど、内なる愛情は深く重く、彼の性愛は情熱的で、あやめへの強い執着さえ感じる。そして正真の色気は、精悍で細マッチョな惚れ惚れする体躯と官能的な動作が相まって、読み手をうっとり蕩けさせる。
そんな二人は、色んな試練を乗り越えながら、ゆっくり糸を紡ぐように絆を深めていく。まだ話は途中だが、この尊い夫婦の幸せをこの先もずっと温かく見守り続けたいと思う。

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平栗恵さん

(女性/50代) 総レビュー数：0件

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