鬼滅の刃
」のレビュー

鬼滅の刃

吾峠呼世晴

言うまでもないですが

ネタバレ
2024年8月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 非常によくできたお話だと思います。設定をしっかり作り込んで序盤からラストまで道筋を決めた上で描かれたということで、話の中での明らかな破綻はなく、少年漫画にありがちな(おそらく人気取りのための)話の方向転換も見られません。大正時代らしさを感じる台詞や服装等、細かなところまで作者の方の知識とこだわりを感じます。
そして、最近はどちらかというと少々斜に構えた主人公も少なくない中で、炭治郎は眩しいほどまっすぐで優しい正義漢です。読んでいて辛い話は山ほど出てきますが、炭治郎の優しさに救われます。途中から何度泣いたかわかりません。
この世界にははっきりと神も仏も出ませんが、全てが集約されていく終盤で「このために彼らが生まれ、出会った」と思わせる場面がいくつも出てきます。
「日本一優しい鬼退治」の通りの話です。絵は序盤は特に不安定で上手い方ではないかもしれませんが、見せ方が上手い、と感じます。23巻と短くはないですが長すぎもしないので、揃えやすいのもいいところです。
連載中まだ人気も高くはなかったこの話をアニメ化しようと目を付けた方は慧眼の持ち主だな、と思います。
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