ZERO LOVER
」のレビュー

ZERO LOVER

ヒロハルヨシ

理解するのが難しい

ネタバレ
2024年8月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前々作、憧憬の〜も内容の理解が難しい作品でしたが、芸術分野の話だったのでそういう世界観なのねという折り合いで共感できた部分がありました。
今回、同じ出版社から発刊された作品ですが、こちらは更に話の展開に一貫性が無く、理解が追いつかない部分が多々ありました。
前作は、違う出版社(大手出版社)からの発刊で、だいぶわかり易くその先の展開とかも想像できたり楽しい作品だったので編集者の力量の違いなのかなと思いました。
作家さんは、先ず描きたいものを描こうとするのは当たり前だと思いますが、それを商業的により多くの読者に理解され、共感される内容になるよう作家と一緒に作品を作るのが編集の仕事なので、今回の出版社から発刊された作品はそのあたりがどうなってるのか疑問を持ってしまいます。
最初のホスト客達がなぜ虫の姿なのか(おそらくストレスから来る心象的なものだと思われるが説明もない)から始まって後半では泊まるか、同棲するかの二択の結論を描かずにいきなり同棲が始まっていたり、見せつけ動画はやらない、やりたくないと数コマ前まで会話してたのに勢いに流れてやり始めたりとシーンを挙げたらキリがないのですが、始終作家さんの熱量は感じるものの、読者が置いてきぼりになるシーンが多すぎて話に一貫性が無いです。
結局、見せつけ動画も有償に切り替えなくてどうやって二人で暮らしていくの?とか疑問が残ったまま終わってしまいました。
あと、攻の顔のパーツが別人レベルにコロコロ変わりすぎる(表情豊かとかそういうレベルではない)のとニートらしさを出すための髪型なのかもですが、長めの髪がウザくて気になって仕方なかったです。多重人格者なのかと思うくらいに口調もすぐ変わったりでキャラもよく分からなかったです。前々作同様、どちらのセリフなのかわからない吹き出しもあったり。擬音も特殊で何の音かわからないコマが多々ありました。
作家さんの絵柄は好みなんですが、今回は個人的にはいろいろと気になってモヤモヤが残る形になってしまいました。
編集者さんは、もっとしっかり推敲するべきです。今回は、絵の良さでカバーすら難しい、支離滅裂な作品の印象を受けました。
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