記憶のすれ違い





2024年8月11日
野白ぐり先生の絵は可愛らしくて、ファンタジーな物語要素に合うなぁと思っていましたが、今回もぴったりでした。異世界転生物語は作品冒頭にもあるように溢れかえっておりますが、前世の記憶によってすれ違う視点は私にとって新しさがあって面白かったです。ななせもれおもどちらもお互いを想っていて、でも前世の記憶に縛られてしまっていてほぼ恋人なのに結ばれない切ない展開が続きます。辛い前世の記憶とあって、主人が従者を…展開かなと思ってたので、ちょっと拍子抜けしてしまいましたが、振り返るとある意味より辛い展開かも…と思いました。ずっと側にいたのに、その人のものになりたいのに、どう足掻いても一生なれないというのは、相当前世ななせは辛かっただろうなと思いました。お互いに辛い記憶や大切にしてる記憶がそれぞれありますが(ある意味同一の記憶よりずれている記憶っていうのがその人目線を感じて更に良かった)、最後のれおの大切な約束の展開にぐっときて、そこからの結末への流れが好きでした。何があっても離れない2人になれた感じ、たまらないです。日本の古典作品は大抵前世からの縁が僕らにはある…だったり、来世も共に生きよう…を言いがちで飽き飽きしていたのですが笑、この2人を見たらそういう縁や繋がりも良いもんだなぁと思った日文生でした笑。

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